元教師による支援局[教師&保護者向け]いじめがトラウマに

2016.08.13

去年、ひさしぶりの同窓会がありました。
中学校を卒業してから、20数年経っての再会です。

もう40代になった生徒たち。顔や体型は変わっても、話をする中で昔の面影がよみがえり、一瞬にして中学生時代に戻っていくようでした。

懐かしい語らいの後の二次会。 居酒屋でのことです。

私の隣にいたS君。

中1の担任の時の生徒でよく覚えています。
真面目で、どちらかというと優等生でした。

結婚して優しい奥さんと幸せに暮らしているという話のあとに、
「今日、ここに来るかどうか、すごい迷いました。会場の中に入るときは、胸がどきどきして、入るのに勇気がいりました。」 と話し始めました。


彼は真面目で、周りからは堅物のように思われていました。
嫌なことをされても言い返さずに、黙って耐えてしまうところがあったように思います。

中1のクラスは元気な生徒が多く、行事などで団結する反面、目立たないところで弱い子への暴力的な言動があり、毎日のように学級会で話し合っていました。
彼も、ちょっかいを出されることがありました。

同じテーブルにいたT君は、中学生当時はかなりのヤンチャで、S君に対しても、暴言や暴力的な行為がありました。
現在は結婚し、仕事も家庭も充実しているとのこと。あれほどヤンチャだったT君がいい夫、いいパパになっていたので、良かったと思いましたが、思い出話に場が盛り上がり、当時のT君のヤンチャぶりが話題になったとき、T君が「あのときは、いろいろやっちゃって悪かったな。すみませんでした。」と言ったのです。

突然の謝罪の言葉に、S君はびっくりしたような顔で、うなずきました。

大人になったT君の言葉で、気持ちが軽くなったのでしょう。

帰る間際に私に言ったことです。
「今日、来るのが怖かった。今まで、あのときのことを思い出すと、つらい気持ちになっていて、でも先生には会いたかったし、思い切って来たんです。今日は本当に来てよかったです。すっきりしました。」

担任は1年間だけだったので、接する機会が減りましたが、その後も表面的には淡々と学校生活を送っているように見えました。
でも、ずっと辛い気持ちを引きずっていたのだと知り、教師として深く反省しました。

当時は、問題が起こってもクラスで話し合って、解決したものと思っていましたが、 S君の「大丈夫です。」という笑顔の下には、心の傷が残っていたのです。
昔も今も変わらず、「いじめ」が問題になっています。

子ども同士の「からかい」、「ふざけ」、「冗談」という言葉で片付けてしまい、月日とともに流され、うやむやになってしまうこともあるのではないでしょうか。

教師は子どもたち一人ひとりをよく見て、その心に寄り添っていく意識が大切だと改めて思いました。

いじめ

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