ハートフル空間

思春期の子供の精神状態やリストカットについて

Q. ご相談

40代・女性
思春期の子供の精神状態やリストカットについて

A. ご回答

初めまして。
カウンセラーの生稲です。
宜しくお願いいたします。

お子さんの事で悩んでいらっしゃるのでしょうか?
もしそうだとしたら、親御さんとしてはつらい時期とお察しいたします。

1-思春期の子供の精神状況
思春期は、心理的、社会的に自我同一を計ろうと理想を求める時期で、子供達は日々の生活の中で、沢山の不安や葛藤を抱えているといわれています。

心理学者・エリクソン(アメリカ)の考え方でご説明させていただきます。
思春期は、自分自身を確立するために、理想を追い求めています。
しかし、理想と現実のギャップに気がつくと、自己喪失状態に陥ることがあります。
そのため、社会的な責任や義務が、ある程度猶予される時期でもあります。 
社会も親も、若いからしかたないよね!と精神的に許して、目をつぶってあげる期間と考えるといいと思います。

この時期は、親・家族からの自立を目指して、その葛藤から拒否的になったりすることもしばしばあるようですが、2000年の意識調査他の結果から、家族の中での安定感、安らぎが大切のようです。
家庭が安心できる場所で、きちんと受けとめられている事が、現代の思春期の子供達にとって良い精神状態を保てるようです。

2-リストカットのしくみ
リストカットは1960年代にアメリカで拡がったもので、現在日本でも100人に1人の割合でリストカットする人がいると言われています。
10~20代、特に若い女性に多く、この行為は自殺しようとしているのではなく、むしろ生きている証として行うもののようですね。
原因は「分離不安=幼い子供が、親が自分を置いてどこかへ行ってしまうのではと恐れを抱く事」であると言われています。
また、乳幼児期のような母親との一体感を求めるのですが、そのような愛情対象が失われたと思った時に(特に思春期頃)リストカットをしてしまう人が多いと言われています。
上手に精神的な乳離れができないままに成長したことによるものだそうです。

参考文献
「手首自傷症候群」西園昌久・安岡誉(臨床精神医学1979年11月号)
「自殺企図・自傷行為」安岡誉(臨床精神医学1996年7月号)