思春期の虎の巻[第九回] 十六歳・一 「袋小路に迷い込んで」

思春期の虎の巻

2019.01.09

「森さんの真似~!」 授業中の教室の隣の席の男の子が、背を丸めました。その子の後ろの席の男子が声をたてて笑いました。 K高校に入学して二か月が経っていた頃の事です。 私は虚ろな目で彼らを眺めた様に思います。 実際、私は姿勢悪く席に座り、無気力な状態でした。 彼らを嫌だとも何とも思いもしませんでした。 授業にはついていけませんでした。 私の頭には何も入って来ませんでしたから。 唯々、分からない内容を聞くだけの日々が、苦痛で仕方がありませんでした。 二か月経ってもクラスで友達は一人も出来ませんでした...

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思春期の虎の巻[第八回] 十五歳・二 「ピンチはチャンス」

思春期の虎の巻

2018.10.15

今回は、中学生にとっての最大の難関、高校受験について書きたいと思います。 前にも書きました通り、私は中学二年生位から鬱の兆候がありました。 しかし、お調子者を演じる私を誰も問題があるとは気付く事はありませんでした。 それでも、私は前にも増して生活がだらしなくなって行きましたし、成績も徐々に落ちて行ったのでした。 神奈川県にはその当時、「アチーブメント・テスト」という物があり、二年生の三学期に受け、公立高校の受験にも適応されていました。 主要五科目だけでなく、全教科の学力テストでした。 私はその「...

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思春期の虎の巻[第七回] 十五歳・一 「中学部活、最後の日々」

思春期の虎の巻

2018.09.25

思い返すと 「馬鹿にされてる」 「皆に好かれなくてはならない」 この二つが今でも続く、幼い頃より作り上げられた、私のマイナスな心の法則だった気がします。 中学三年、私にはけ口として向けられた米田さん(仮)の怒りは、益々つのるばかりでした。 彼女とは一度も同じクラスになった事はありませんでしたが、彼女へのクラスメートの苛めはエスカレートしていたようです。 「森さんは、自信あるから嫌い!」 米田さんは私に言い放ちました。 私がその言葉に縮み上がっている事を知っていたからです。 彼女の目はギラギラと尋...

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思春期の虎の巻[第六回] 十四歳・四 「大人はわかってくれない」

思春期の虎の巻

2018.09.15

思春期の子供にとって、認識を変えるのは難しい事です。 やっと自意識が芽生えたばかりで、客観視はこれから学ぶのですから。 私は精神状態が不調になっても、まだ力に憧れていました。 何と馬鹿な事に、二月の時任先輩(仮)の卒業時に、胸のボタンを貰いに行ったのです。 なんとまあ。 呆れますね。 閑話休題。 時間は少し戻って、前回お約束した通り、私と漫画との関わりについてと、クラスでの私の様子をお話しします。 中学二年生の年末、演劇部の同級生、三木さん(仮)の発案で漫画の同人誌(コピー誌)を仲間で作ることに...

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思春期の虎の巻[第五回] 十四歳・三 「反発!でもSOS」

思春期の虎の巻

2018.08.30

多くの人が、「青春時代とは暗いもの」と言いますが、あなたはどうでしたか? もし、その通りなら、頑張ってきた自分を褒めてみるのも、時にはいいものではないでしょうか。 追いつめられた子供は大人への反発を表す事で、SOSを発信しているものです。 かくゆう私もそうでした。 中学二年、、私は部活のメンバーとの軋轢に、鬱状態になりながらも、誰にも相談できませんでした。 自分で問題を抱え込んでしまっていました。 家族も異変には気づいていませんでした。 何故なら、私が必死に隠していたからです。 そんな晩秋。看護...

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思春期の虎の巻[第四回] 十四歳・二「負のスパイラルにはまった」

思春期の虎の巻

2018.08.20

中学二年の一学期の終わり、一年生と三年生の話し合いで、新しい演劇部の部長が決まりました。 結果を言いますと、私は選ばれませんでした。 正直なことを言いますと、少し自信があったのです。 四人いた私たち二年生のメンバーには、リーダーシップを発揮するような性格の子は、いなかったからです。 だから私は、勝てる(なんてことを言うのでしょう!)と思っていたのでした。 何と言っても、時任部長(仮)の様になりたかったのですから。 しかし、そうはいかなかったのでした。 私は恐れられることに成功してはいても、尊敬を...

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思春期の虎の巻[第三回] 十四歳・一 「後輩が出来た 縦関係の歪んだ罠」

思春期の虎の巻

2018.08.10

そうして私も中学二年生になりました。 勉強も少しずつ難しくなってきます。 友達から、恋の打ち明け話をされたりして、本格的に青春時代がやって来ました。 しかし、私の一番の関心は、初めて後輩を持つという事につきました。 「先輩」と呼ばれる事にくすぐったい想いを抱きながら。 何とも鼻高々な気分でした。 私たち演劇部は一年毎に、部員の多い学年、少ない学年、また多い学年とどうゆうわけか、規則的に繰り返していました。 私のいる二年生は四人。 大人しい羽田さん(仮)感情的な米田さん(仮)ユニークな三木さん(仮...

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思春期の虎の巻[第二回] 十三歳・春「ティーンの始まりは先輩後輩の始まり」

思春期の虎の巻

2018.07.30

あなたは「生意気」という言葉を初めて意識したのはいつですか? 多分、小学校五、六年生頃?身近に使われ出したのは、おそらく中学生になってからなのではないでしょうか。 そう、多くの人にとって、中学生の始まりは先輩後輩の始まり、だったろうと思います。私にとってもまさにそうでした。 四月。 いよいよ中学生。私は慣れない制服を着、自慢のセイコーの腕時計を身につけると、ドキドキしながら、K中学校の門をくぐりました。 「青春」「ティーン」「初恋」などの言葉が自分の頭の中でおしくらまんじゅうしている感じで、希望...

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思春期の虎の巻[第一回] 十二歳・冬「私って力無い?尊敬されたくて」

思春期の虎の巻

2018.07.20

あなたは中学校に入る頃や、その前に「尊敬されたい」と強く願ったことはありませんでしたか? 力が欲しかったことは? 思い返してみると、私にとってこの願いを抱いたこと、そこから私の十代が始まったようなのです。 小学校六年生、十二歳の冬でした。 私は学校の演劇クラブに席を置いていました。 当時の横浜市の小学校では、クラブ活動は四年生から始める決まりだったようです。 クラブ自体は楽しかったです。 漫画「ガラスの仮面」が流行っていた頃で、やる気満々の私は「北島マヤ」を自認していました。 それは問題なかった...

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