なぜ6月は「なんとなく絶不調」が続くのか?心がスーッと軽くなる科学的理由

「なんだか最近、朝起きるのがつらい……」
「特別なにか嫌なことがあったわけではないのに、気分が落ち込む」
「いつもなら聞き流せる些細な言葉に、妙にイライラしてしまう」

6月に入り、このような「なんとなくの絶不調」を感じていませんか?

実は、当学院(ハートフルライフカウンセラー学院)にも、この時期になると
「自分のメンタルの弱さに落ち込んでしまう」
「カウンセラーを目指して勉強中なのに、自分の心がコントロールできない」
といったご相談や声が多く寄せられます。

まず、最初にお伝えさせてください。 あなたが今、やる気が出なかったり、心がどんより重かったりするのは、あなたの心が弱いからでも、努力が足りないからでもありません。

そこには、この季節特有の「明確な科学的理由」があります。
今回は、その不調の正体を解き明かし、認知行動療法の視点も交えながら、心をスーッと軽くするためのヒントをお届けします。

1. 心のせいではない?6月に不調が重なる「3つの科学的理由」

なぜ6月に入ると、私たちの心と体はこれほどまでに揺さぶられてしまうのでしょうか。
その背景には、自律神経や脳内物質の働きにまつわる「3つの変化」が存在します。

① 「気圧の乱高下」が自律神経を直撃するから

6月といえば梅雨の季節です。この時期は、低気圧と高気圧が頻繁に入れ替わり、気圧が急激に変化します。

私たちの体には、気圧の変化を察知する「内耳(耳の奥の器官)」というセンサーがあります。
気圧が大きく下がると、このセンサーが脳にストレス信号を送り、体を興奮させる「交感神経」と、リラックスさせる「副交感神経」のバランス(自律神経)がガタガタに乱れてしまうのです。

自律神経は、心拍や体温、消化、そして気分のコントロールまで司る重要なシステムです。
これが乱れることで、だるさ、頭痛、動悸といった身体的ツラさと同時に、「不安」「焦り」「気分の落ち込み」といったメンタルの不調が同時に引き起こされます。

② 「日照不足」で幸せホルモンが激減するから

雨や曇りの日が続くと、私たちは太陽の光を浴びる機会が極端に減ってしまいます。
これが脳のバランスに大きな影響を与えます。

人間の脳は、日光を浴びることによって「セロトニン」という脳内物質を分泌します。
セロトニンは別名「幸せホルモン」とも呼ばれ、感情をコントロールし、心の平穏を保つために絶対に必要な物質です。

太陽の光を浴びられない6月は、このセロトニンの分泌量が年間を通しても少なくなります。
その結果、脳がエネルギー不足のような状態になり、理由のない不安や、気分の落ち込み(いわゆる季節性うつに近い状態)が生まれやすくなるのです。

太陽を浴びる

③ 4月からの「適応疲れ」が時間差で爆発するから

心理学的な視点で見ると、6月は「時間差の疲労」が溜まる時期でもあります。

4月の新年度、新生活、あるいは環境の変化(職場の人間関係や役割の変化など)を迎えたとき、私たちは「がんばろう!」と無意識に気を張っています。
その緊張感で5月まではなんとか乗り切れるのですが、その張り詰めた糸がプツンと切れるのが、環境に少し慣れてきた「6月」なのです。

専門用語ではこれを「適応障害の地鳴り」や「燃え尽き」の初期段階と捉えることもできます。
がんばり屋さんで、周囲に気を配れる優しい人ほど、この6月にドッと疲れが押し寄せる傾向があります。

2. カウンセラーの視点で紐解く、6月の罠「不調の悪循環」

不調の科学的理由が分かったところで、ここからさらに一歩踏み込んでみましょう。
私たちハートフルライフカウンセラー学院が大切にしている「認知行動療法(CBT)」の視点を使うと、なぜこの不調が「長引いてしまうのか」が見えてきます。

認知行動療法では、人間の心理を「環境」「身体」「認知(ものの受け取り方・考え方)」「行動」「感情」という要素に分けて考えます。

6月の不調は、以下のような「悪循環」を生み出しやすいのが特徴です。

【環境・身体の変化】
梅雨の低気圧、日照不足、体がだるい
 ↓
【認知(考え方)の歪み】
「みんなは元気そうなのに、どうして私だけダメなんだろう」
「こんなにやる気が出ないなんて、私は怠けている、プロ失格だ」
 ↓
【感情の悪化】
強い焦り、自己嫌悪、落ち込み
 ↓
【行動の変化】
休日に部屋に閉じこもる、人と会うのを避ける、スマホをダラダラ見る
 ↓
(さらに体がだるくなり、認知がネガティブになる……)

このように、最初は「天気のせい(身体の不調)」だったはずのものが、いつの間にか「自分がダメだからだ(認知の歪み)」という自己評価にすり替わってしまい、自分で自分を追い詰めるループにハマってしまうのです。

このループを断ち切るために必要なのは、気合で乗り切ることではありません。
「考え方(認知)」と「行動」に、ほんの少しの優しい変化を加えてあげることです。

対面学習

3. 心をスーッと軽くする「3つのセルフケア・ステップ」

今すぐ実践できる、脳科学と認知行動療法に基づいた「心の梅雨対策」を3つのステップでご紹介します。

ステップ①:主語を「私」から「天気」に変える(認知の修正)

まず、「どうして私はダメなんだろう」と考えそうになったら、言葉をこのように言い換えてみてください。

❌ 修正前: 「今日も何もできなかった。私は本当に意志が弱いな……」
⭕ 修正後: 「これだけ気圧が下がっていれば、体が重くて当然だ。脳が省エネモードに入っている証拠だな」

主語を「私」ではなく「天気や気圧」に変えてしまうのです。
これは心理学でいう「外在化(問題を自分自身と切り離すこと)」という立派なアプローチです。
自分の外側に原因があると客観的に認めるだけで、脳の防衛本能が働き、自己嫌悪という余計なエネルギー消費を抑えることができます。

ステップ②:朝一番に「光」の刺激を脳に送る(身体・行動のケア)

セロトニンの減少を補うために、朝の行動を少しだけ工夫してみましょう。 雨や曇りの日であっても、窓際はカーテンを閉め切った部屋の10倍以上の明るさ(照度)があります。

・朝起きたら、すぐにカーテンを開けて窓際で1分間過ごす。
・部屋の照明を、朝だけは一番明るい「昼光色(白い光)」にする。

これだけで、目から入った光の刺激が脳の視床下部に届き、「朝が来たぞ」と認識されてセロトニンの合成が始まります。
曇り空に向かって「脳のスイッチ、オン」と心の中で呟いてみるのもおすすめです。

ステップ③:あえて「小さな事実」に目を向ける(行動のコントロール)

心が弱っているときは、大きな目標を立てると逆効果になります。「あれもできなかった、これも終わらなかった」というマイナス(減点方式)ばかりが見えてしまうからです。

そこで、1日の終わりに「できたこと(事実)」を3つだけノートやスマホに書き出してみてください。

・「めんどくさかったけど、朝、顔を洗えた」
・「仕事中、しんどいながらもメールを3通返した」
・「今日を無事に生き抜いて、布団に入れた」

どんなに小さなことでも構いません。
感情(つらい、しんどい)に流されず、「行動した事実」を確認することで、脳は「自分はコントロールできている」という感覚(自己効力感)を取り戻し、心のジメジメが晴れていきます。

4. がんばるあなたへ:カウンセラーを目指す仲間、そして心を整えたいあなたへ

私たちハートフルライフカウンセラー学院では、カウンセリングの技術を教えるだけでなく、まず受講生ご自身が「自分の心のトリセツ」を手に入れ、自分を大切にできるようになることを何よりも重んじています。

カウンセラーも、人間です。雨の日には頭が痛くなることもあれば、6月に心がどんよりすることだって当然あります。

大切なのは、「不調にならないこと」ではなく、「不調になったときに、どう自分に寄り添い、どう対処すればいいかを知っていること」です。

もし今、あなたが暗いトンネルの中にいるような気分だとしたら、それはあなたの心がステップアップするための「お休み期間」なのかもしれません。
自然界の植物が、梅雨の恵みの雨をたっぷりと吸い込んで、夏のまぶしい太陽に向かって大輪の花を咲かせる準備をするように、あなたの心も今、エネルギーを蓄えている最中なのです。

「なんとなく絶不調」な6月。
どうか、自分を責める手を止めて、温かい飲み物でも飲みながら、自分自身に「毎日よくがんばっているね、お疲れ様」と声をかけてあげてくださいね。

あなたの心が、少しでもスーッと軽くなりますように。

カウンセリングや心理学を優しく学びたい方へ

ハートフルライフカウンセラー学院では、日常のストレスケアから本格的なプロのカウンセラー養成まで、一人ひとりの心に寄り添う講座を開講しています。
「自分の心を整えたい」「誰かの心の支えになりたい」と感じたら、まずは無料の説明会や体験講座へお気軽に足を運んでみてください。
あなたとお会いできる日を、心よりお待ちしております。

 

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