セルフモニタリングとは

自分の思考・感情・行動を観察し、心理パターンを理解する認知行動療法の基本技法 ―

定義

セルフモニタリングとは、自分自身の思考・感情・行動・身体反応などを客観的に観察し記録することで、心理的なパターンや行動の傾向を理解する認知行動療法の技法である。

認知行動療法では、心理的な問題の背景には、思考・感情・行動の一定のパターンが存在すると考えます。
しかし人は日常生活の中で、自分の思考や感情の流れを正確に意識することが難しいことがあります。

セルフモニタリングは、こうした心理の動きを整理し、自分の心理パターンを理解するための方法です。

セルフモニタリングの基本的な考え方

人の心理状態は、次のような要素によって構成されています。

出来事
思考
感情
行動
身体反応

これらは互いに影響し合いながら変化しています。

しかし日常生活の中では、この関係を意識することはあまりありません。

例えば、次のような状況があります。
出来事
仕事でミスをした

思考
自分はダメだ

感情
落ち込み

行動
何もしたくなくなる

このような心理の流れを意識しないまま生活していると、自分の思考や行動のパターンに気づきにくくなります。

セルフモニタリングは、この心理の流れを整理するための方法です。

セルフモニタリング

認知行動療法におけるセルフモニタリング

セルフモニタリングは、認知行動療法の多くの技法の基礎となる方法です。

認知行動療法では、問題の背景を理解するために、まず現在の心理状態を観察します。

このときに用いられるのがセルフモニタリングです。

セルフモニタリングによって、次のようなことが明らかになります。

・思考のパターン
・感情の変化
・行動の習慣
・ストレスのきっかけ

そのため、セルフモニタリングは認知行動療法の最初のステップとして用いられることが多い方法です。

セルフモニタリングで観察する項目

セルフモニタリングでは、次のような項目を観察します。

出来事

何が起きたのか。

思考

そのときどのような考えが浮かんだか。

感情

どのような感情が生じたか。

行動

どのような行動をとったか。

身体反応

体の反応。


・心拍数の上昇
・緊張
・疲労

これらの要素を整理することで、心理の流れを理解できます。

セルフモニタリングの目的

セルフモニタリングの目的は、自分の心理状態を評価することではありません。

目的は、心理のパターンを理解することです。

人は自分の思考や行動を無意識に繰り返していることがあります。

セルフモニタリングによって、そのパターンに気づくことができます。

セルフモニタリングの基本ステップ

セルフモニタリングは、次の手順で行われることが一般的です。

① 出来事を記録する
② 思考を記録する
③ 感情を記録する
④ 行動を記録する
⑤ パターンを整理する

このプロセスによって心理の傾向を理解します。

ステップ1 出来事を記録する

最初に行うのは、出来事の記録です。


出来事
上司に注意された

このように状況を整理します。

ステップ2 思考を記録する

次に、そのとき浮かんだ思考を整理します。


「自分は評価されていない」

このような思考を自動思考と呼びます。

ステップ3 感情を記録する

次に感情を整理します。


不安
落ち込み
怒り

感情の強さを数値で表すこともあります。

ステップ4 行動を記録する

次に行動を整理します。


・黙ってしまう
・会話を避ける
・仕事をやめたくなる

行動のパターンを理解することが重要です。

ステップ5 パターンを整理する

最後に、記録した内容から心理のパターンを理解します。

例えば
特定の状況で不安が強くなる

回避行動が増える

このような傾向を整理します。

セルフモニタリングの具体例

例を見てみます。

出来事
会議で発言した

思考
「変なことを言ったかもしれない」

感情
不安

行動
その後発言しなくなる

このようなパターンが続いている場合、思考の偏りや行動の習慣が見えてきます。

セルフモニタリングと認知再構成

セルフモニタリングは、認知再構成と組み合わせて使われることがあります。

セルフモニタリング

心理パターンを理解する

認知再構成

思考を見直す

このように、両者は認知行動療法の中で連携しています。

セルフモニタリングのメリット

セルフモニタリングには次のようなメリットがあります。

・心理状態を客観的に理解できる
・思考パターンに気づける
・行動の習慣を整理できる
・感情の変化を理解できる

そのため、セルフモニタリングは認知行動療法の基本技法として広く用いられています。

セルフモニタリングの活用場面

セルフモニタリングはさまざまな場面で活用されています。

(1)メンタルヘルス

ストレス
不安
落ち込み

(2)自己理解

思考の整理
感情の理解

(3)行動改善

生活習慣
時間管理

セルフモニタリングの注意点

セルフモニタリングを行う際には、いくつかのポイントがあります。

(1)評価しない

記録することが目的です。

(2)正確に書く

できるだけ具体的に書きます。

(3)継続する

短期間ではパターンが見えないことがあります。
継続することで心理の傾向が見えてきます。

よくある質問(FAQ)

Q.
セルフモニタリングとは何ですか

A.
自分の思考・感情・行動などを観察し記録することで心理パターンを理解する認知行動療法の技法です。


Q.
セルフモニタリングはセルフケアでも使えますか

A.
はい。日常生活のストレス管理や自己理解の方法としても活用されています。


Q.
セルフモニタリングはなぜ重要ですか

A.
心理のパターンを理解することで、思考や行動の改善につながるためです。

まとめ

セルフモニタリングとは、自分の思考・感情・行動を観察し記録することで心理のパターンを理解する認知行動療法の技法です。

心理の流れを整理することで、自分の思考や行動の傾向に気づくことができます。
そのためセルフモニタリングは、認知行動療法における基本的で重要な方法とされています。

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