【連休明けの心理】「やる気が戻る人」と「もっと休みたい人」の決定的な違いとは?

はじめに:連休明けに現れる“心の分かれ道”

ゴールデンウィーク明けや年末年始明けなど、長期休暇の後に職場や学校が再開すると、周囲の反応は大きく二分されます。

  • 「休んでリフレッシュできた!さあ、今日からまたがんばろう」という人

  • 「ああ、まだ休みたい……もう少し寝ていたい」とエンジンがかからない人

この違いは単なる“性格の違い”ではありません。心理学的には、休暇後の「再起動の仕方」や「内的動機付けの質」が大きく関係しています。
本記事では、行動科学・認知心理学・ストレス理論の知見をもとに、この差を生み出すメカニズムを読み解き、連休明けに自分をスムーズに“再起動”させるためのヒントをお届けします。

1. 「リフレッシュ派」と「休み癖派」の違いは“休み方”にある

―ポイントは「能動的休息」と「受動的休息」

心理学者エリオットらの研究によると、人間のモチベーションは「アプローチ動機(前向きな動機)」と「回避動機(ネガティブから逃れる動機)」に分類されます。

この視点から見れば、連休中に“能動的に楽しみ、前向きな価値を感じながら過ごした人”は、アプローチ動機が活性化され、休み後に自然とやる気が戻ります。
一方、目的なく「なんとなくダラダラと休んだ人」や、ストレスから逃げるために休んだ人は、回避動機に支配されやすく、再始動にブレーキがかかりやすくなります。

つまり、休暇の“質”がその後の活力を決めるのです。

2. 心理学的に見た「休み癖」の正体

―“快”の惰性と報酬系の鈍化

人間の脳には「報酬系」と呼ばれる領域があり、心地よい刺激を受けるとドーパミンが分泌され、快の感覚を強化します。
休み中にダラダラとした生活に慣れると、この報酬系がその状態を「快」と認識し、変化(仕事・学業)を“面倒なストレス”として回避しようとします。

その結果、休み明けに「もっと寝ていたい」「通勤がだるい」と感じ、やる気が起きなくなるのです。
これは意志の問題ではなく、脳が慣れた“快”から抜け出したくないという生理的反応です。

3. やる気がある人の脳は“報酬”の予感に敏感

逆に、休み明けにスムーズに動き出せる人は、行動の先にある報酬を想像しやすい傾向があります。

たとえば、

  • 「連休明けは忙しいけど、仕事が進めば達成感がある」

  • 「新しいプロジェクトに関われるかもしれない」

  • 「人と話せるのが楽しみ」

といったように、「動いた先にあるポジティブな未来像」が自然に浮かぶ人は、行動のハードルを低く感じます。
これは「将来展望(Future-oriented thinking)」の力であり、モチベーション理論の一つでもあります。

行動

4. 認知行動療法(CBT)でわかる「思考のクセ」とモチベーションの関係

認知行動療法では、私たちの“気分”や“やる気”は、出来事そのものよりもそれに対する解釈(認知)によって決まると考えます。

たとえば、同じ連休明けに対しても、

  • 「また忙しい日々が始まる…」→無力感や回避

  • 「新しい週が始まる、何か変えられるかも」→前向きな行動意欲

このように、「事実」にどう意味づけをするかで、心の動きは大きく変わります。

つまり、“やる気”は**感情ではなく「選択される思考習慣」**なのです。

5. 「休み明けがつらい」を防ぐ3つの心理戦略

① 休暇中から“再始動”を意識する

連休最終日には、翌日に向けた小さな行動(服を準備、ToDoリストを書くなど)を取り入れることで、「切り替えの儀式」が脳を仕事モードに戻します。

② 小さな目標で“報酬予測”を作る

いきなり「通常運転」に戻るのではなく、「まず10分だけやる」「1つだけ達成する」など、脳に“成功体験”を与えることでドーパミンを自然に引き出せます。

③ 「やりたくない自分」を否定しない

モチベーションは“波”です。無理に引き上げようとするより、「今は低いから、今日は整える日」と割り切る方が、翌日に効果が出やすくなります。
これは自己効力感(self-efficacy)を維持するために有効です。

深呼吸

6. 結論:休み明けに“自分を整える”という選択

やる気が出るか、出ないか。

その違いは「休み方」「思考のクセ」「行動の工夫」にあります。

つまり、「連休明けにやる気がある人」は、特別な人ではなく、整える技術を自然に実行している人なのです。
心理学の知見を少し意識するだけで、誰でも「切り替え上手」になれます。

ハートフルライフカウンセラー学院からのお知らせ

この記事を読んで「もっと自分を整える力を身につけたい」と思われた方へ。

ハートフルライフカウンセラー学院では、心理学・認知行動療法(CBT)を体系的に学び、心のセルフケア技術を習得できる講座をご用意しています。

日々の暮らしや仕事に活かせる“本物の心理学”を、あなたも学んでみませんか?

→ 詳細はこちら:https://www.heartfullife.jp/

«

»

学院長・石川千鶴が直接説明

スクール説明会

  • 学び方、学びの活かし方、資格取得の方法など詳しく説明
  • レッスン・カウンセリングまで体験できる
ストレスの謎と解消法がわかる5つの特典付き

\きっと得する!/
無料スクール説明会はこちら

参加者の方は
5の特典付き