健康になるとは? ― バランスのいい考えを作ること ―
「健康でありたい」という願いは、誰もが自然に抱くものです。
しかし、ここでいう「健康」とは、単に病気がない状態や、身体的な不調がない状態だけを指すのでしょうか。
現代では、医学が進歩し、身体の異常は数値や画像で把握できるようになりました。
一方で、「検査では異常がないのに、つらい」「理由はわからないが、不安や落ち込みが続く」といった声も少なくありません。
このことは、健康とは身体だけで完結するものではなく、心や思考の在り方と深く結びついていることを示しています。
認知行動療法(CBT)では、健康を「心・身体・行動・思考が相互に影響し合いながら、無理なく機能している状態」と捉えます。
その中でも特に重要視されるのが、バランスのいい考え方を作る力です。
本記事では、「健康になるとはどういうことか」という問いを出発点に、認知行動療法の視点から、バランスのいい考えとは何か、なぜそれが健康につながるのかを丁寧に解説していきます。

1.健康を左右するのは「出来事」ではなく「考え方」
私たちは日々、さまざまな出来事に直面しています。
仕事、人間関係、家庭、老い、将来への不安――これらは、誰にとっても避けられないものです。
しかし、同じ出来事を経験しても、心身の反応は人によって大きく異なります。
ある人は落ち込み、別の人は冷静に対処し、また別の人は前向きな学びとして受け止めます。
この違いを生むのが、「出来事そのもの」ではなく、その出来事をどう捉え、どう意味づけたかという思考です。
認知行動療法では、
・出来事(状況)
・そのとき浮かんだ考え(認知)
・感情
・行動
・身体反応
が相互に影響し合っていると考えます。
特に、「瞬間的に浮かぶ考え(自動思考)」は、感情や身体反応に強く影響します。
たとえば、
「失敗した。自分は無能だ」と考えれば、強い不安や落ち込みが生じ、行動は萎縮し、身体は緊張します。
一方で、
「うまくいかなかったが、修正できる点はある」と捉えれば、感情は比較的安定し、次の行動につなげる余地が生まれます。
ここに、「健康」と「考え方」の密接な関係があります。
2.バランスの悪い考えが心身を消耗させる理由
では、健康を損なう「バランスの悪い考え」とは、どのようなものでしょうか。
認知行動療法では、次のような思考パターンが、心身の負担を大きくするとされています。
・白黒思考(完璧か失敗かの二択で考える)
・過度な一般化(一度の出来事を「いつも」「絶対」と捉える)
・破局的思考(最悪の結果を即座に想定する)
・自分への過度な責任帰属(すべてを自分のせいだと考える)
これらの考え方は、必ずしも「間違い」ではありません。
多くの場合、過去の経験や環境の中で、生き延びるために身につけてきた思考の癖です。
しかし、そのまま使い続けると、現実以上にストレスを増幅させ、慢性的な緊張や不安、抑うつ、身体症状につながることがあります。
つまり、健康を妨げているのは「性格」ではなく、調整されていない思考の使い方なのです。
3.バランスのいい考えとは「前向き」でも「楽観」でもない
ここで誤解されやすいのが、「バランスのいい考え=ポジティブ思考」という理解です。
認知行動療法におけるバランスのいい考えとは、
・現実に即している
・極端に偏っていない
・自分を追い詰めすぎない
・行動の選択肢を広げる
という特徴を持つ考え方です。
無理に明るく考える必要はありません。
つらいときは「つらい」と認め、不安があるときは「不安がある」と理解することが前提です。
そのうえで、
・本当にそう言い切れるだろうか
・他の見方はないだろうか
・事実と解釈を分けて考えられているだろうか
と、思考を少しだけ整理していきます。
この「少しだけ」という点が重要です。
大きく変えようとする必要はありません。
ほんのわずかな視点の調整が、感情や身体の負担を大きく軽減することがあります。
4.健康とは「考えを整え続けられる力」を持つこと
人生において、ストレスや困難がなくなることはありません。
だからこそ重要なのは、「健康でい続けること」ではなく、崩れたときに立て直せる力です。
認知行動療法が目指す健康とは、
・ネガティブな感情が出なくなること
・不安や落ち込みを感じないこと
ではありません。
そうではなく、
・自分の考えに気づける
・必要に応じて考え方を調整できる
・感情や身体の反応を理解しながら行動を選べる
という、セルフケアとしての思考スキルを身につけている状態です。
この力は、年齢や立場に関係なく、誰でも学び、育てていくことができます。
5.実践を通して「使える認知行動療法」を学ぶ場
認知行動療法は、理論を知るだけでは十分ではありません。
日常生活の中で「実際に使える形」で身につけることが重要です。
ハートフルライフカウンセラー学院では、認知行動療法を単なる知識としてではなく、現実の生活や対人支援に活かせる技法として学ぶことを重視しています。
特徴的なのは、
・思考・感情・行動の構造理解
・ケースを通した具体的な思考整理
・日常で再現可能な実践方法
・支援者自身のセルフケアへの応用
といった点です。
「人を支援するため」だけでなく、
「自分自身が健康であり続けるため」に学ばれる方が多いことも、同学院の特徴の一つです。
6.健康は「考えを育てる」プロセスである
健康は、一度手に入れたら終わりというものではありません。
日々の出来事の中で、考えが偏ったり、視野が狭くなったりすることは誰にでもあります。
大切なのは、そのことに気づき、考えを整え直す習慣を持つことです。
バランスのいい考えを作る力は、
・自分を守り
・人間関係を柔らかくし
・行動の自由度を高め
・結果として心身の健康を支える
基盤となります。
「健康になるとは何か」という問いへの一つの答えは、
バランスのいい考えを、何度でも作り直せる自分でいることなのかもしれません。
認知行動療法は、そのための確かな道筋を示してくれます。
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